PMSやPMDDの治療について、薬物療法やホルモン療法など

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PMS/PMDDの治療について

はじめに

本日も昨日に引き続きPMSとPMDD関連の記事にしたいと思います。

昨日はPMSとPMDDの違いや診断基準についてのお話でしたが、今回は治療についてが中心になります。

薬物治療(抗うつ薬)

第一選択薬:以下のSSRIのうちいずれか1例
・sertraline 50-100mg/日✴(レベルA)
・paroxetine(CR錠)12.5-50mg/日(通常錠の場合は10-40mg/日)(レベルA)
・escitalopram10-20mg/日(レベルA-)
・fluvoxamine50-150mg/日(レベルA-)
*原則として間潔療法(黄体期のみ服用)による治療を行うが、月経が不規則である者や、間潔療法で効果不十分の場合には、適宜継続療法を行う(第二選択以降も同様)
*24歳以下の患者では、抗うつ薬の投与により、自殺念慮や自殺企図が増加するという報告や、SSRIの投与により攻撃性が高まる恐れがあるという報告があるため、これらを患者にSSRIを投与するにあたっては、危険と有益性を考慮する
→第一選択薬に効果がなかった場合や有害作用によって服用できなかった場合には、第二選択薬を用いる

第二選択薬:第一選択薬として選択しなかったSSRIのうちいずれか1剤
*SSRIにより重篤な有害作用を認めた場合に限り、clomipramine、またはduloxetine、またはmilnacipraneを選択する
→第二選択薬に効果が認められなかった時や、有害作用によって服用できなかった場合には、第三選択薬を用いる

第三選択薬:第一、第二選択薬として選択しなかったSSRI、またはclomipramine、またはduloxetineまたはmilnaciprane

・clomipramine 25-75mg/日(レベルB)
・duloxetine 20-60mg/日(レベルB-)
・milnaciprane 50-100mg/日(レベルB-)
→第三選択薬に効果が認められなかった時や、有害作用によって服用できなかった場合には、sertraline、paroxetine、escitalopram、fluvoxamine、duloxetine、milnacipraneのうち第一〜第三選択薬で選択しなかった薬剤、経口避妊薬(レベルB/B-)、alprazolam(レベルC)の中から一剤を選択する。なお、経口避妊薬とalprazolamが適応外使用である。また利用可能であれば光療法や認知行動療法を検討してもよい
✴軽症例であればPMDDの症状が十分にコントロールされている症例に関しては、25mg/日でも可とする

上記が山田ら(2014)のPMDDの薬物治療ガイドラインです。
レベルAが最も推奨される治療法でレベルAからDまであります。
SSRIという抗うつ薬が中心となっていますが、効果がない場合にはSSRI以外の薬剤も選択肢になってきますね。
それぞれの薬剤の細かな違いなど多々ありますが、あまりに専門的になりすぎるのでここでは控えます。

抗うつ薬以外の治療法

PMS/PMDD に対する抗うつ薬以外の治療法として、ホルモン療法、漢方薬、認知行動療法、カルシウム製剤、ハーブ、生活 改善、エクササイズ、鍼、灸などがある 。

ホルモン療法:排卵を抑制することによって月経前症状の軽減が期待されます。日本ではヤーズという薬が該当します
漢方:症状に応じて使いやすいため広く様々な種類のものが使われています
カルシウム製剤、ハーブ、認知行動療法も有効性が示される報告がされています。
ハーブに関しては日本で初めてのPMS治療薬プレフェミン®として発売されて います。
またエビデンスとしてはまだ少ないですが、食事療法、生活改善、エクササイズ、鍼灸などはいずれもPMS/PMDDの症状改善に効果があるとされており、薬物療法の前に試してみる価値はあるかもしれません。
食事としては炭水化物や塩分、カフェインを控えることが勧められています。

まとめ

本日はPMS/PMDDの治療法についてでした。

薬物療法が中心になってしまったので、ちょっと専門的な話になってしまいましたね。

PMS/PMDDで精神症状が中心だと心療内科や精神科を受診される方が多いかと思います。
体の症状が中心だと婦人科を受診されるのではないでしょうか。
おそらく精神科だと抗うつ薬中心の治療になると思います。
抗うつ薬中心の治療でうまくいかなければ、ホルモン療法、漢方、カルシウム製剤、ハーブなども試してみる価値がありますが、精神科ではあまりそれらの薬は出し慣れていないんです。
主治医とも相談して同時に婦人科も受診してみて、ホルモン療法などを検討してみるのもいいかもしれませんね!

PMS/PMDDの症状、診断などについてはこちら

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参考文献:
功刀 浩・太田 深秀・若林 千里.精神科からみた PMS/PMDD の病態と治療  .女性心身医学 2018;22(3):258-265