生理の症状が重い人、PMSかもしれません、原因や診断について

PMSとPMDDについて

はじめに

本日はPMSとPMDDについての記事にしようと思います。
PMS、PMDDってなんだ?と思う方もいるかもしれません。
PMSは月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS) と言い、PMDDは月経前 不快気分障害(premenstrual dysphoric disorder: PMDD) と言います。

最近PMSはメディアでも取り上げられるようになってきたので、特に女性が関心を持っている方もいるかと思います。
女性特有の症状ではありますが、家族に女性がいる男性も多いはずなので、知っておくべきと思います。

月経の前に気分がさえない日が続いたり、お腹が張ったり痛んで吐き気がしたり、眠れなくなったりとする方はもしかしたらPMSあるいはPMDDかもしれません。

PMS/PMDDとは

月経前になんらかの体あるいは精神的な不調をきたす女性がいることは広く知られていると思います。
海外では日本よりもPMSはかなりの市民権を持ち、家庭、職場、学校などでPMSのせいで本来のパフォーマンスができないことを自ら積極的に告白し、その状況を男性が理解しカバーしようとするような状況があるそうです。

日本ではなかなか自分から告白する人もいないですし、そもそも告白しづらい雰囲気ありますよね・・・。

原因

原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。
エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの変化によって脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが原因と言われていますが、ストレスなど様々な要因が複雑に絡み合っているため、原因を特定することは未だ難しいようです。

PMSの診断基準(ICD-10)

・中等度の心理的状況

・腹部膨満、胸部圧迫、体重増加、腫脹、疼痛、集中困難、睡眠障害、食欲の変化

・この症状のうち1項目が黄体期に該当し、月経開始時に消失する

国際疾病分類 ICD-10 によると上記が診断基準になります。

PMSの診断基準は比較的緩く女性の8割が当てはまるという報告もあり、疾患というよりは月経に伴う一般的な症状と捉えられる傾向もあります。
かなり多くの女性がPMSの診断基準に当てはまるのではないでしょうか?
一方でPMDDはうつ病と並ぶ疾患レベルにまで注目度も上がっている疾患です。

PMDDの診断基準(DSM-5)

A.ほとんどの月経周期において、月経開始前最終週に少なくとも 5 つの症状が認められ、月経開始数日以内に軽快し始め 月経終了後の週には最小限になるか消失する。

B.以下の症状のうち 1 つまたはそれ以上が存在する.
(1)著しい感情の不安定性(例:気分変動;突然悲しくなる,または涙もろくなる,または拒絶に対する敏感さの亢進)
(2)著しいいらだたしさ,怒り,易怒性,または対人関係の摩擦の増加
(3)著しい抑うつ気分,絶望感,自己批判的思考
(4)著しい不安,緊張,および/または“高ぶっている”とか“いらだっている”という感覚

C.さらに,以下の症状のうち 1 つ(またはそれ以上)が存在し,上記基準 B の症状と合わせると,症状は 5 つ以上になる.
(1)通常の活動(例:仕事,学校,友人,趣味)における興味の減退
(2)集中困難の自覚
(3)倦怠感,易疲労性,または気力の著しい欠如
(4)食欲の著しいな変化,過食,または特定の食物への渇望
(5)過眠または不眠
(6)圧倒される,または制御不能という感じ
(7)ほかの身体症状,例えば,乳房の圧痛または腫脹,関節痛または筋肉痛,“膨らんでいる”感覚,体重増加
注:基準 A~C の症状は,先行する 1 年間のほとんどの月経周期で満たされていなければならない.

D.症状は,臨床的に意味のある苦痛をもたらしたり,仕事,学校,通常の社会的活動または他者との関係を妨げたりする (例:社会活動の回避:仕事,学校または家庭における生産性や効率の低下).

E.この障害は,ほかの障害,例えばうつ病,パニック症,持続性抑うつ障害(気分変調症),またはパーソナリティ障害の 単なる症状の増悪ではない(これらの障害はいずれも併存する可能性はあるが).

F.基準 A は,2 回以上の症状周期にわたり,前方視的に行われる毎日の評定により確認される(注:診断は,この確認に 先立ち,暫定的に下されてもよい).

上記がアメリカ精神医学界出版の診断基準DSM-5によるものです。
Aほとんどの生理周期において生理前に少なくとも5つの症状があって、生理開始後に軽快し始める
Bの症状が1つ以上、Cの症状が1つ以上あって計5つ以上になる。
またA-Cは先行する生理の1年の生理のほとんどで存在しなくてはいけない。
D社会生活に支障が出ている
E他の精神疾患ではない
F基準Aは連続二回以上の生理周期で確認し診断される
簡単に要約すると上記のような感じです。

DSM-5の一個前の診断基準では著しい抑うつ気分、著しい不安、著しい情緒不安定性、持続的で著しい怒りの順でしたが、今回の新しい診断基準では、著しい感情の不安定性、著しいいらだたしさを最初に持ってきたことで、PMDDの特徴がよりはっきりした印象です。

毎回の生理前に感情が不安定だったり、イライラが強かったりそれで生活に支障が出ているようなことがあればもしかしたらPMDDかもしれません。

まとめ

本日は最近注目度が上がっているPMSとPMDDについての記事でした。
PMSは当てはまる方も多いかと思いますが、重症になってくるとPMDDを満たすレベルになってきますね。
そうなると治療が必要になってくるかと思われます。

次回はPMS/PMDDの治療についての記事にしたいと思います。

治療についてはこちら

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参考文献:
功刀 浩・太田 深秀・若林 千里.精神科からみた PMS/PMDD の病態と治療  .女性心身医学 2018;22(3):258-265