電気けいれん療法のやり方の流れ、適応、副作用について

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電気けいれん療法について

はじめに

本日は電気けいれん療法についての記事を書きたいと思います。

 

電気けいれん療法ってなんだ?

ちょっと怖いイメージを持つ方もいるかもしれません。

 

電気を通すってなんだか怖いですよね。

でも現代の電気けいれん療法はかなり安全になってきているので過剰に心配をしなくて大丈夫ですよ。

とてもいい治療法です。

 

精神科の治療の中心となるのは薬物療法ですが、電気けいれん療法という選択肢もあります。

両者ともにメリット、デメリットがあるので適切な治療法を選びたいですね。

 

電気けいれん療法について知ることで、不安な気持ちが不安な気持ちが少しでも減ればいいと思います。

 

電気けいれん療法の適応

適応疾患は幅広いです。

うつ病、躁うつ病、統合失調症に加え、身体疾患に起因する精神障害、身体疾患(悪性症候群、パーキンソン病、難治性発作性疾患,慢性疼痛)が含まれます。

 

適応となる疾患は幅広いですが、緊急性が高い場合にまずは選択肢に上がります。

 

具体的には、自殺の危険性が高かったり、食べれない飲めないで体が弱っていたり、昏迷状態にあったり、興奮や錯乱している状態が挙がります。

 

あとは、他の治療法の危険性が電気けいれん療法の危険性を上回る場合ですね。

高齢者だったり妊娠していたり、体に合併症がある状態です。

 

薬がなかなか効かない、なんらかの理由で薬が使いづらい場合にも適応となります。

 

電気けいれん療法の副作用とできない状態

副作用には、血圧上昇、不整脈、物忘れおよび認知機能障害、頭痛、躁転といったものがあり、確率としては低いが8万治療回に一回程度の死亡率もあります。

 

認知機能障害は一時的であることが大半ですが、たまに長く続いたりすることもあります。

頭痛といった痛み止め等の薬で対処できる場合が多いです。

たまにですが、電気けいれん療法が中止しなくてはいけない副作用が出ることもあります。

 

また、心筋梗塞、心不全、不安定狭心症、肺炎、脳梗塞急性期、脳動脈瘤といった体に大きな病気がある場合には電気けいれん療法はできません。

体の病気を悪化させる可能性があるからです。

 

電気けいれん療法をやる際の流れ

日帰りでやる場合もあるのですが、基本的には入院ですることになります。

 

というか緊急性が高い状態なので入院にしないと危ないのです。

 

まず、最初の1週間は体に大きな病気がないか検査をします。

採血、レントゲン、心電図、心臓エコー、頭のCTやMRI、脳波などですね。

 

その検査期間の間に、電気けいれん療法に差し支えのある薬を整理することになると思います。

けいれんを起こして効果を得る治療法なので、けいれんを止めてしまう効果のある薬は減らしていかなければなりません。

ベンゾジアゼピン系の薬剤や抗けいれん薬などはけいれんを止めてしまうので、減らしていかなくてはいけません。

 

どうしても減らせない薬があれば、前もって主治医とも相談しておきたいですね。

 

薬の調整が終わって、検査で大きな問題が無ければ電気けいれん療法が始まります。

施設にもよりますが、10回1クールという施設が多いのではないでしょうか。

 

僕が働いていた病院は週に3回、全部で10回の1クールでした。

 

電気けいれん療法を行う場所は、病室、処置室、手術室など様々かと思います。

朝起きたら看護師さんに案内され、ベッドに横になります。

 

手術に準じた治療なので、心電図のシールを胸にはります。

おでこを綺麗にした後、脳波と通電のためのシールをおでこ等に貼ります。

 

また、血圧を測るために血圧計を手に巻いて、タニケットを足か手に巻くことになります。

タニケットを巻くことで一時的に血流を止めて、その先に麻酔薬がいかなくすることでけいれんがしっかり起きているかを見て判断するために巻きます。

最近は巻かない施設もあるみたいですね。

 

同時に点滴を取ることになると思います。

 

精神科医師1人、麻酔科医師1人(麻酔科がない場合には精神科医師)、看護師1、2人で行われます。

 

準備ができたら、酸素マスクから酸素を吸います。

 

点滴から麻酔薬が入ってきます。

寝てしまうのでここからは意識は全くないと思います。

 

その後通電によりけいれんを起こします。

麻酔薬により呼吸も止まるので、酸素マスクにて呼吸の手助けを受けます。

 

けいれんが起きて止まって、しばらくすると麻酔薬が体から抜けて目が覚めます。

 

全部で30分以内で終わります。

あっという間ですね。

 

これを週2、3回、10回のセットを行うことになります。

 

おわりに

電気けいれん療法のイメージがなんとなくわきましたか?

 

麻酔を使って安全に行えるので、怖い思いをすることはほとんどないと思います。

 

主治医がこの治療を勧めるのであれば、おそらく重症の場合や緊急性が高い場合なのではないでしょうか。

もちろんリスクがゼロの治療法ではないですが、薬と比べても効果は抜群にある場合が多いです。

 

 

参考文献:精神科治療学 第18巻11号