任意入院、医療保護入院、措置入院など。精神科の入院の仕方について。

f:id:TAROmental:20190908053822p:plain

精神科の入院形態について

はじめに

本日は精神科への入院形態についての記事を書きたいと思います。

 

通常、精神科以外の科に入院する時って入院形態なんて話題に上がらないと思います。

 

自由入院といって、先生に入院した方が良いですよ、と言われて本人もそう思えば入院になります。

 

ですが、精神科の入院には自由入院ってないんです。

 

精神科への入院は精神保健福祉法という精神科独自の法律によって運営されています。

僕も精神保健指定医のレポート提出をする時にたくさん勉強しましたが、結構難しい法律です。

 

精神保健福祉法は、

・精神障害者の医療及び保護を行うこと

・障害者総合支援法とともに、精神障害者の社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行うこと

・精神疾患の発生の予防や、国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによって、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とした法律です。

 

明治時代まで遡ると、精神科病院が十分に設置されてはおらず精神疾患を持っていた方は、自宅で家族が囲っていたりするなど精神科医療を十分に受けることができませんでした。 

 

戦後、精神衛生法から精神保健法を経て現在の精神保健福祉法に至ります。

歴史的な背景が絡み、様々な経緯を経て現在の法律になりましたが、ちょっと小難しいので詳細は省きます。 

 

誤解を恐れずに簡単に言ってしまうと、精神疾患で適切な医療を提供するため、社会生活への促進、国民の精神保健の向上を目的に制定された法律です。 

 

一般の患者さんが精神科にかかって入院の話題になる時、入院形態を大きく分けると2つに分かれます。

任意入院、医療保護入院の2つになります。 

 

措置入院、緊急措置入院、応急入院という入院形態もあるのですが、あまり一般の方が意識することはないと思います。後ほど詳しく記載しますね。

 

 任意入院とは 

これは一番わかりやすいですね。

 

入院が必要でかつ本人の同意がある場合に任意入院となります。

 

基本的にはこの入院形態が一番望ましいと思います。

 

医療保護入院とは

入院の必要性があるにも関わらず、本人が入院を拒否している場合に医療保護入院が適応になります。

 

病状がとても重たい場合、自分自身で病状の重さが認識できなくなってしまいます。

 

そのため入院が必要なのに拒否してしまう事って結構あるんですね。

 

もちろん自分の意思で入院をして欲しいので、本人や家族にも何度も入院の必要性を説明します。

 

それでも本人が入院を拒否する場合には、精神保健指定医1名の診察と家族いずれかの同意があれば医療保護入院となります。

 

ここでいう家族とは、配偶者、親権者、扶養義務者、後見人または保佐人、該当者がいない場合には市町村長が同意の判断を行います。

 

医療保護入院の際に本人が拒否しているのに、家族が同意をして入院になって後々本人に恨まれてしまうことがあるのではと疑問に思う方もいるかもしれません。

 

基本的には病状が良くなってくれば、入院して良かったと言ってくれる患者さんが多いです。でも、家族の事を良く思わなくなる患者さんも時々います。

 

本人の同意でなく、家族の同意で入院となるので、慎重に検討する必要がありますね。

 

措置入院とは

入院させなければ自傷他害の恐れがある方が対象となります。

 

自傷他害というのは、自分や他人を今にも傷つけてしまいそうと言ったイメージですね。

 

具体的には近所でナイフも持って暴れている人がいるとします。

もちろん警察呼びますよね。

 

警察官がその人の言動が精神的に問題がありそうだと思ったら、保健所などに通報がいき、都道府県知事の命令で精神保健指定医2名の診察が行われます。

 

2名の診察の結果が入院が必要であると一致すれば措置入院となります。

 

都道府県や保健所などが絡んでくる入院形態なので、一般に病院に行く方が対象になることはまずないですね。

 

緊急措置入院とは

 基本的には措置入院と同様です。

 

自傷他害の恐れがあるかたが対象になりますが、精神保健指定医1名の診察でいいことと、入院期間が72時間以内と限定されることが特徴ですね。

 

なぜ措置入院と緊急措置入院と似たような入院形態が存在するかというと、夜中に自傷他害の恐れがあるような人の診察の必要性がある場合には、地域によっては精神保健指定医が2名も見つからないんです。

 

そのため、1人の精神保健指定医の診察で緊急措置入院となって、昼間に2名の診察が改めて行われて措置入院になるかどうかが決まります。

 

なので緊急措置入院は時間限定の措置診察が行われるまでの繋ぎといったイメージになります。

 

応急入院とは

これも夜中をイメージするとわかりやすいですが、精神保健指定医1名の診察の結果、医療保護入院が望ましいけれども、家族に連絡が取れない、いるかどうかもわからない。

 

そういった時に72時間以内の限定で応急入院となります。 

その後、昼間に家族に連絡をとって医療保護入院とするかどうかを判断する入院形態です。

 

措置入院と緊急措置入院の関係に似ていますね。

 

おわりに

今日は普段意識することはないと思いますが、入院形態についての記事でした。

 

このブログでもたまに入院形態について書いていたので、補足のために書きました。

 

家族の中に治療が必要だけども本人が入院を拒否している場合には、医療保護入院も選択肢となるかもしれませんね。

 

 

参考文献:

精神保健福祉法について|国の政策と方向性|メンタルヘルス|厚生労働省