会社でうまくいかない、行きたくない、辛い人へ

 

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 会社でうまくいかなくて悩んでいる方へ

はじめに

今日は会社で仕事や人間関係がうまくいかないけど相談しずらい、どうしたらいいんだろうという方向けの記事を書きたいと思います。

 

精神科のクリニックを受診される方で、会社で仕事がうまくいかない、人間関係がうまくいかないという人はかなり多いです。

 

具体例を挙げてみますね。

 

30代の男性、Aさん。精神科への通院歴はない。

 

今年の7月に会社内で部署異動があった。

以前の部署は主にオフィスワークが多く、残業時間も多くても月10時間以内であった。

 

ところが、7月に営業部門に異動となると状況は大きく変わった。

 

オフィスワークではなく客先に毎日足を運ぶことが増え、体力的にも辛い。

また、Aさんは人と話すのも得意な方ではなく、そのため毎日客先に顔を出すこと自体が苦痛で仕方なかった。

 

人と話すことに対し苦手意識があるため、取引先ともうまくいかず叱責を受けることも増えた。

仕事もうまく回らず月のノルマの達成のため残業時間は月に40時間まで増えた。

 

幸い上司には恵まれ、サポートを受けながら2ヶ月ほどは頑張っていたが、徐々に夜眠れなくなり朝起きていざ会社に行こうとすると吐き気がする。気分もさえず、仕事の能率も落ちてきた。

 

不眠について詳しくはこちら

taromental.com

 

食事も喉を通らず、顔色も悪くなり上司の勧めもあり精神科クリニックを受診した。

 

診断

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さてAさんの診断は何になるでしょうか。

 

診断は適応障害です。

 

アメリカの精神医学会によって出版された診断基準であるDSM-5によると

A.はっきりとしたストレス因のため、ストレスが始まって3ヶ月以内に症状が出現。

B.症状は以下のうち少なくともどちらかの証拠がある。

1.そのストレス因に不釣り合いな程度の症状、苦痛

2.社会的、職業的などの生活に重要な領域の機能に重大な障害をきたしている

C.他の精神疾患では説明できない

D.その症状は正常の死別反応では説明できない

E.ストレス因やその結果が一度終結すると、症状は6ヶ月以上持続することはない。

 

Aさんにもはっきりとしたストレス因がありますね、異動と営業職、長時間労働もそうです。

不眠や抑うつ、吐き気といった重大な障害も出現しており、死別があったわけでもこれまで別の精神疾患に罹患していたわけでもありません。異動前にはなんら問題なく生活していた方でした。

 

治療、今後どうすればいいか

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さてこの男性が精神科クリニックを受診しました。

Aさんはどのような治療を受けることになるのでしょうか。

 

薬を飲むことによって解決するのでしょうか?

 

残念ですが、薬を飲んでも解決しません・・・。

 

診断基準にもあるように明確なストレス因がきっかけなわけです、つまりストレス因が続く限りは現在の状態も続くと考えていいのです。

 

ではどうしたらいいのでしょうか。

 

休職

ストレス因から離れることがまずは大切です。まずは休職ですね。

いきなり休職は早急ではないかと考える方もいると思います。

症状の重さによって考慮しますが、症状がそれなりにある状態だとなかなか冷静に物事を考えられない事もあるので、休職を後押ししてあげることが多いです。

 

上司や人事、産業医との面談

休職を本人が受け入れるのであれば診断書を書いて、上司や人事、産業医の先生と面談してもらい休職に入ってもらいます。

 

ちなみに産業医の先生が自分の会社にいるか知っていますか?自分も産業医をやっていましたが、産業医が自分の会社にいるかどうか知らない人も多いです。

 

会社の規模が50人以上であれば産業医をおかなくてはいけない決まりになっているため確認してみてください。

 

産業医とは職場の労働者の健康管理において専門的な助言を行う立場にいる医者です。

産業医の助言があると、休職や異動において人事も動きやすいことがあるためこういった状況の時には面談をすることを強く勧めます。

 

休職を本人が受け入れない場合は症状が持続するためかなり辛いと思います。その場合には本人とも相談し薬で症状を緩和してあげることになる場合が多いです。

 

休職しそれなりに休養が取れると、症状は速やかに軽快する場合が多いです。

 

これで一件落着とはいきません!

 

だって元の職場、ストレスに戻れば症状がぶり返すのは目に見えていますから。

 

復職に向けて

次にAさんがどうしたいかが一番大切です。

僕はAさんにこう問いかけました。

・営業の仕事を続けたいのかどうか?

 

Aさんは「もう営業の仕事はしたくない、向いていない」と話したため、再度職場とも相談してもらい異動することとなりました。異動し時短勤務から復職し、その後Aさんは順調に仕事に行けているということで通院は終了になりました。

 

Aさんの場合と違って職場の状況的に異動が叶わない場合もあります。

その場合には、上司や同僚にサポートしてもらいながら復帰することとなりますが、残念ながら症状がぶり返すことが多いです。

薬を使いながら症状を緩和していきますが、通院期間も長くなってしまいます。その後、退職し転職に至ったという方も多いです。

 

会社でうまくいかず苦しんでいる方は多いと思います。

自分の弱さが原因なのでは、自分の能力が至らないのが問題なのではと一人で抱え込んでしまっていることが大半です。

 

自分自身だけでは解決できないこともあると思います。抱え込まずに是非受診してみてください。